VOOとVYMのペアトレーディング
前回のベータの計算でいくつかのETFのデータをダウンロードしたので投資に役立つ分析をしてみます.
下の図はBND(債券ETF),VYM(高配当株ETF),VOO(SP500に連動するETF)の日次終値を2015年6月から2020年5月までプロットしたものです.比較のために最初の価格を100でそろえています.
青―BND 黄―VYM 赤―VOO
本来の目的はBNDとSP500が連動しているわけないよなという確認のためのプロットだったのですが(正確にはベータの計算は収益率で行うので,これをもってベータの話をしてはいけない),VYMとSP500の連動っぷりもむしろ見逃せないところです.
これは共和分関係といってVYMとVOOに長期均衡関係があるということを示唆するものです.そしてこの共和分関係があるとペアトレーディングという手法が使えます.
今誰も読者がいないので,理屈の説明や途中の計算や検定手続きを一切省略して結果だけいうと,
VOO=3.62*VYM-44.62
という関係が長期でみられます.短期ではこの関係からずれることもあるが,長期ではこの関係に戻っていくよというぐらいの意味です.
ペアトレーディングとはこの関係をつかって
1.VOO<3.62*VYM-44.62ならば,VOOが上がってVYMが下がる調整が起こる.
2.VOO>3.62*VYM-44.62ならば,VOOが下がってVYMが上がる調整が起こる.
よって1の場合はVOOを買い,VYMを売る.2の場合はVOOを売り,VYMを買う.という手法です.ただし,これは為替で用いられる手法だとあいまいながら記憶しています.
僕は今後数か月VOOとVYMの両方買うことを考えていて,結局どっちも買うことになりそうのですが,優先順位を決めるのには使えるかなと思います.実際VOOとVYMの直近の価格を代入すると
279.75>245.78=3.62*80.22-44.62
となり,VYMを買うべしという結果になります.上のプロットからもわかるように,コロナショックからの回復はVOOよりもVYMのほうが遅いので常識的な判断だといえます.
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