素晴らしい提案をしよう お前もボラティリティを推定しないか? 杏寿郎,なぜお前が至高の領域に踏み入れないのか教えてやろう ボラティリティを推定してないからだ リスクを管理できていないからだ 自分のとっているリスクを認識できていないからだ リスクを管理しよう,杏寿郎… — マートン太郎 (@eva8hYNvgIKutNT) September 2, 2025 ボラティリティの鬼ことマートン太郎です.Xで上記のようなポストをした以上,ボラティリティの推定の仕方を教えなければなりません.まずはリテラシーレベルとして株価が対数正規分布に従う場合について簡単に手順を説明したいと思います.リテラシーレベルと言っておいて対数正規分布とか何なん,教える気ゼロやろうという声が聞こえてきそうですが,これは雰囲気を伝えるためにやむを得ない用語ですのでお許しください.価格が対数正規分布に従うというのは非常にシンプルで美しい仮定で,ファイナンスの標準理論ではよく採用される仮定になりますので,ある種のベンチマークとしても考えられますし,実際は実務の世界では面倒なのでこの仮定で話がすすめている場合もあります.ある資産価格がどれくらい対数正規分布とズレていて,その場合のボラティリティ推定はどのようになるかなどはアドバンストレベルの記事として書いてみたいというか,すでにあまり説明なしにこのブログではDCC-GARCHモデルやEGARCHモデルを使った分析結果を書いているので,そのあたりをもっとちゃんと説明する機会をもうけようと思っています. それはさておき,投資家なら誰しも一度は図1のようなリスク・リターン平面をみたことがあるでしょう.縦軸に期待収益率,横軸に収益率の標準偏差(これをファイナンス界隈ではボラティリティ≒リスクとみなします)をとって,各銘柄とかその組み合わせのPFがどの程度リスクをとっていて,リターンが期待きるが可視化してものです.これは単に可視化のためのツールではなく,ある条件の下で,銘柄選択,PF選択というのは,あれこれ複雑に考える必要はなく,ボラティリティと期待収益率と相関で完全に決まり,ボラティリティと期待収益率という2軸の評価に落とし込めるという現代ポートフォリオ理論の舞台になります. 図1:リスク・リターン平面 リスク・リターン...