イールドカーブの主成分分析による現時点での米国債投資判断
非常に賢いと言われるChatGPT4oさんを導入しましたので,共同で米国債のイールドカーブ分析に関する記事を書いてみました.
図1:米国債のイールドカーブ(現在~1年前)
図1に示した通り、現在米国の長期金利が上昇し、イールドカーブがスティープ化しています。背景にはアジア時間帯での米国債売りがあり、中国や日本の機関投資家による売却が主因と見られています。中国については、外貨準備の調整という建前のほか、トランプ政権による対中関税強化の動きへの報復的措置として、米国債売却を通じた政治的圧力の可能性が指摘されています。一方、日本では農林中央金庫によるリスク資産圧縮の一環としての米国債売却が報じられており、実際のフローとして市場に与える影響は大きいと考えられます。これらの動きが重なったことで債券価格が下落し、特に長期ゾーンで金利が上昇。これによりイールドカーブがスティープ化し、米国の金融環境や市場心理にも波及しています。
図2:米国債のイールドカーブ(現在~30年前)
もっとも、図2でみられるように、過去30年の水準と比較すると、現在のイールドカーブはむしろフラットであり、歴史的にはスティープとは言い難い形状となっています。
図3:主成分スコアの推移
僕は長期投資家なので、あくまでも長期投資の観点から言うと、現在の米国債市場は全体として金利水準が歴史的に見て高く、価格面では割安感がある局面にあります。ただし、イールドカーブは依然としてフラットであり、どのデュレーションでも一様に割安というわけではありません。この中で歴史的・相対的に見て割安性が高く、利回りと流動性のバランスが取れているのは短期債であり、有利な選択肢と考えられます。したがって、短期債やMMFに資金を待機させ、債券に限らず株式やその他アセットにおける投資機会に機動的に対応できる体制を整えておくことが、長期投資家にとって戦略的な選択といえるでしょう。
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